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VOLLMER に信頼を寄せるタイの工具メーカー 2025-03-19

概要

2019 年より、タイの工具メーカー N.S.T. Machinery 社は VOLLMER の放電加工機を使用して PCD 分野で非常に大きな成長を遂げています。同社は、その他にも VHybrid 260 をはじめとする VOLLMER 製設備を導入し、超硬工具分野においてもサクセスストーリーを継続させたい意向を示しています。加えて N.S.T. Machinery 社は現在、面積 5,400 平方キロメートルの生産施設を建設中で、入居は 2025 年末の予定です。同社は投資を通じてタイ国外へ事業を拡大したい考えで、特にマイクロ工具を通じて、自動車製造、医療機器、電子機器、時計産業などの産業領域において世界各地の顧客を獲得することを目指しています。

タイの都市バンウアの人口は約 1 万 3,000 人で、チャチューンサオ県に属しています。人口数百万の大都市バンコクに近いことから、この農村地域に拠点を置く事業会社の数が増えています。工具メーカーの N.S.T. Machinery Company Limited 社もそうした企業のひとつで、2011 年にバンウアに拠点を構え、5 年前からビーベラッハの研磨スペシャリスト VOLLMER の製品をご利用いただいています。VOLLMER は長年にわたりタイで事業を展開しており、2 年前にはバンコクに支社として VOLLMER Asia Pacific を設立しました。そのお客様である N.S.T. Machinery 社はバンコクから車でわずか 30 分の距離にあるため、現場での個別のサポートも非常に容易に提供できるようになりました。

VHybrid 260で新たな市場を開拓

N.S.T. Machinery 社の主力製品としては、超硬合金、HSS(高速度鋼)あるいは PCD(多結晶ダイヤモンド焼結体)製の切削工具が挙げられます。同社はわずか数年で、航空宇宙、医療機器、自動車、および電子機器産業向けの精密工具の大手メーカーへと成長を遂げました。同社は現在従業員 80 名を擁し、約 160 社の顧客に製品を提供し、年間売上高は約 500 万ユーロに上ります。

N.S.T. Machinery Company Limited 社マネージャーのナロン・イムヌアム(Narong Yimnuam)氏は、次のように語っています。「私たちは VOLLMER Asia Pacific から素晴らしいサポートを受けています。何か問題があれば、VOLLMER のサービスチームがオンラインのビデオ通話、電話、あるいは実際に現場ですぐに対応してくれます。当社は VOLLMER の技術とサポートに信頼を置いており、そのため先頃、研磨・放電加工機 VHybrid 260 に投資しました。これにより、当社は将来 VOLLMER 品質で超硬工具を生産できるようになります

VHybrid 260 により N.S.T. Machinery 社は、超硬工具と PCD 工具の両方を 1 回のクランプで完全に研磨または放電加工することできます。VHybrid 260 のベースとなるのは、2 本の垂直配置されたスピンドルにより実現される多面加工で、下側のスピンドルは研磨加工と放電加工の両方に使用できます。堅牢なキネマティクスと高性能放電ジェネレーター Vpulse EDM を備えたこの機械を使用して、N.S.T. Machinery 社は、直径 0.45 mm 以下のきわめて小さなマイクロ工具を最高レベルの精度、性能、表面加工品質で製造することができます。

PCD 加工用の 5 台のワイヤー放電加工機

ナロン・イムヌアム氏は、続けて次のように話しました。「私たちの目標は、タイ国内外で切削工具のスペシャリストとしての地位を確立し、その地位を先進技術と高い品質により世界市場において継続的に確保することです。当社は、特に 5 年前に PCD 分野に参入して以来、大きく成長してきました。その際に中心的な役割を果たしたのは、VPulse および QWD シリーズの 5 台の VOLLMER 製ワイヤー放電加工機です」

5 台の VOLLMER 製ワイヤー放電加工機のうち 4 台は VPulse 500 モデルです。N.S.T. Machinery 社はそれらを使用して、エンドミルやステップリーマーから成形工具、特殊ドリル、ステップドリルまで、広範な PCD 工具を加工しています。5 本の CNC 軸での同時パス補間により、切削工具を 1 回のクランプで正確に放電加工することができます。VHybrid 260 と同様に VPulse 500 の心臓部はジェネレーター Vpulse EDM で、これにより研磨性能が向上し、より優れた表面品質が実現します。放電ワイヤーを使用するこの加工機により、N.S.T. Machinery 社は複雑な形状や小さな内径といった段付き工具やベル型工具に典型的な構造も正確に加工できます。適切な自動化を実施することで、24 時間体制の無人工具加工も可能です。

マイクロ工具で成長する N.S.T. Machinery 社

「VOLLMER のテクノロジーとサービスは、『品質』、『精度』、『納期順守』、そして『複雑な工具加工のための革新的なソリューションの提供』という当社の企業モットーに完全に適合しています。私たちは VOLLMER との協力を通じて従業員の資質とノウハウを向上させ、当社の提供する工具を現在および将来の顧客の要件に今まで以上に正確に適合させたいと考えています。そのため、まもなく小径超硬工具向け工具研削盤 VGrind 340S も当社の所有機に加わる予定です」と、ナロン・イムヌアム氏は語ります。

VOLLMER の工具研削盤 VGrind 340S は2024 年末に稼働を開始しました。この機械は、主に医療機器や電子機器、時計産業で使用されるような繊細なマイクロ工具の製造に使用されます。垂直に配置された 2 つの研磨砥石を備えた VGrind 340S は、直径 0.3~12.7 mm の微細な超硬工具でも非常に効率的に研磨できます。さらに、この機械には最適な同心度を確保するためのシャフトレストが装備されており、オプションで長い穴あけ工具用の振れ止めを装備することもできます。

VOLLMER グループ取締役のアンドレアス・ベーム(Andreas Böhm)は、次のように話します。「私たちは、タイからベトナム、マレーシア、台湾、フィリピンまで、N.S.T. Machinery 社のように製品とイノベーションによって近年大きな成長を遂げている数多くの中規模企業のお客様をサポートしています。そのため当社は、2 年前にバンコクに支社として VOLLMER Asia Pacific を開設し、東南アジアのお客様に現場でさらに効率的で個別的なサービスを提供できる体制を整えました」

 

 

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Ingo Wolf
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